megamouthの葬列

長い旅路の終わり

2016-01-01から1年間の記事一覧

Books&Appsに寄稿させていただきました。あと、今年の懺悔

Books&Appsに寄稿させていただきました どういう成り行きによるものか、見当もつきませんが、Books&Appsの安達様にお声がけいただき、この度、拙文を寄稿させていただきました。blog.tinect.jp不倒城のしんざき様や、シロクマの屑籠のシロクマことid:p_shiro…

プログラマの美徳

これの続き 午前2時に目が覚めた。確か悪夢を見ていたような気がする。 目を開けると、寝室の壁中に文字が浮かんでは消える幻が見えた。 僕は特に驚くでもなく、ベッドに身を横たえたまま文字に目を凝らす。 漢字ともひらがなともとれない文字は、全く読み取…

汎用機とその風景

マウント 1999年頃だったと思うが、小学校からの幼馴染と会う機会があった。その頃、私はまだ大学生で、幼馴染は高校を卒業して、なんとか情報サービス、という名前のIT系の会社に就職していた。 思い出話に花を咲かせた後、お互いの近況に話が及んだ。 私は…

沈黙のプログラマ

プログラマと言えば寡黙、というイメージがある。実際のところ、彼らは寡黙というよりはプログラム以外の話をするのが苦手なだけで、専門分野について話を始めると、こちらが驚くほど饒舌であったりもするものだが、アルゴリズムの計算量の話をしない普通の…

例えば勝手に夜が明けてしまうこと

目が覚めた時は、すでに夜の0時であった。 私は、猛烈に腹が減っていた。近所の住人に気が付かれないように、玄関の扉を開けると夜の街が静かに開いた。コンビニにたどり着くと、誰もいない店内で目についた不健康そうな食料をカゴに放り込んで、無表情な店…

Welqは信用できない。では何を信用すべきなのか?

もはや古い話題ですが、WelqというDeNAが運営する医療情報キュレーションサイトが公開停止しました。www.itmedia.co.jp経緯としては、上記の記事なり検索するなりして各自調べていただければいいと思いますが、ようするに、クラウドソーシングで集めたライタ…

0円贖罪という儀式

システム構築の仕事につきものの話で、なんらかの問題があって、システムが納期に納品できない時、または納品したシステムに問題があった、などの事態が起こった時に、この業界で必ずたまに行われることがある。まず、下請けである我々の営業とPM、時には私…

無N.O.の人

「頭の悪い奴にはできないが、本当に頭の良い奴はこんな仕事はしない」とは、ある戦闘機パイロットの言葉らしいが、プログラマも似たようなもので、多くの技術書や、他人のコードを読み下し、膨大な知識を頭の中に放り込まないとまともなプログラムが書けな…

はいはい。みなさん。落ち着いて。

間違いですよ。 詳しくは、書けませんが、先日、僕の方から病院に行ったのです。 相談の内容は、いつのまにかブログがBuzzって1000ブクマとか10万アクセスとかいったことです。 そしたら、逆に疑われてしまいまして、尿検査をうけました。 何の、問題もあり…

消えたプログラマの残したものは

システム開発の佳境に、開発メンバーが突然出社しなくなってしまう。携帯にも連絡がつかず、3日ほど音信不通になったので、さすがに心配になった上司が大家と共に自宅を訪れると、夕日が差し込む部屋の真ん中に、当の本人が何の表情も浮かべずにただ座ってい…

業務改善を現場に求める狂気

前回までのあらすじボトムアップ型業務改善の代表格であるトヨタ式カイゼンが多くのIT企業に適用できないことを悟って絶望するmegamouth。錆びた斧を交換できない木こりはやはり愚昧なのだろうか?それとも我々はトタン屋根の上の猫のように日が傾くことをた…

カイゼンできない業界もあるんですよ

brevis.exblog.jpを読んだ。 要約すると、「業務改善には一時的にコストがかかるけど、そこは頑張ってやらないとジリ貧になるよ」ということなのだが、末端のフリーランスIT土方の立場から言わせてもらうと「知らねーよ」という感想しかない。まあそれだと話…

最近の懺悔、夢日記について

前回のエントリを力を入れて書きすぎてしまった感があって(実際に亡くなった方がいる以上、真剣に書かねばならないのは当然の事ですが) その勢いで書こうと思ったこともあったのですが、今回は特にテーマも決めずにダラダラすることにします。 ブログ読者…

ITシステムは高橋まつりさんを救うことができたか?

最近、電通を始めとするネット広告界隈が騒がしい。私は純然たるWeb屋で、しかもアプリケーションよりの人間なので、アドネットワークもネット広告業界の構造もさっぱり知らないし、電通社員様などという天上人の仕事ぶりなど、それこそ想像すら及ばない世界…

Emacsという沼

最近、マイスリー(睡眠導入剤)の影響なのか決まって悪夢を見る。今日の悪夢は格別で、年下のエンジニア達が口々にEmacsをDisってきて、私はムキになってEmacsではこれが出来る、あれが出来ると主張するのだが、それら全てがSublimeTextで出来ると言い返さ…

大学を中退した男の末路、あるいは瓦礫を歩むということ

幼い頃、私は世界はいずれ滅ぶものだと思っていた。ある日、兄と朝食を食べていた時に、核戦争か何かで文明が滅び去ってしまったら、私は政治家になって瓦礫の世界を復興するのだ、と言った。もし世界が滅ばなかったらどうするのか?と兄はバカにしたように…

なぜ(一部の)人はサービスを作り(作らせ)たがるのか?

最近目についた言葉に「労働者は時間を切り売りする。金持ちは仕組みを作る」みたいなのがあって、言葉そのものについては、はーそうですか。としか高卒フリープログラマとしては言うことがないわけですが、この「仕組み」とITサービスについては言いたいこ…

SIerについて僕が知っていること

getlife.hateblo.jpという記事があって、paizaお得意のポジショントーク煽りにSIerで頑張ってるオジさんがブチ切れといった構図の話なわけだが、元のPDFすら読まずにイケてる環境のWEB系の労働生産性がイケてないSIerのたった三割しかない件 - プロマネブロ…

プログラマだけど異世界の開発会社に転生した

最適化(オプティマイゼイション) ジャムス「どうもページの表示が遅いんだ。多分Javascriptが重すぎるんだよ。どうしたらいいんだろう?」エイダ「しょうがないわね。ふーん。まずJqueryのappendが多いわ。DocumentFragmentやinnerHTMLをもっと効果的に使…

罵倒おじさんの喪失

今朝からずっとテレビが台風の接近を繰り返し警告しているのを知っていたので、駅舎のアナウンスで数十回も「申し訳ありません」と謝られなくとも、この電車で目的地に行き着くことができないことはよく理解できた。私は、道の半ばにして止まってしまった電…

ここ最近の懺悔

カクヨムに書いてみた話 ここに文章を載せるついでに、昔書いたそこそこ長い一連の文章(例によって途中で放棄されていたものですが)が見つかって、読み返してみるとそこそこにおもしろいような気がしないでもなかったので、カクヨムに載せてみました。kaku…

夏が実際には来なくて、ワクワクするような、虚しいような、あの時が、ずっと続けばいいのに

ショッピングモールの冷房が効きすぎているわけでもないのに、この喫煙室が妙に肌寒いのは、もう9月も半ばになっているせいというだけではなさそうだった。 黄ばんだ液晶テレビは、海で楽しそうに煙草を吸う男女を繰り返し再生し続けていて、まるで、この汚…

僕と先生について

はじめに断っておくと、僕は老朽化したアパートの一室にある壁の染みだ。 煙草の煙ですっかり黄ばんだ壁紙に染み付いた、見ようによっては人型に見えなくもない黒い影のようなもの、といった外見をしている僕は、普通考えられるとおり、人格を有してはいない…

遠い音楽

音楽が、孤独な人間の味方であり、夢であった時代があった。夕暮れの強い西日の差し込む自室に、浅く埃のかぶった黒く大きなラジカセが奏でる音が、受験勉強に勤しむ青年の心の支えであったり、本を読み空想の世界を旅する少女に寄り添えていた時代があった…

空(くう)について

何かの原因で社会から追い出されると、もはや周りには何もなく、それまでやってきた事や記憶を頼りに暗闇を漂うよう事になる。当人としては、そうなっても「過去」がか細い糸となって、辛うじて社会につながっているし、「能力」という金銭でしか表現できよ…

零細受託Webプログラマーの生き様

masarakki.gitbooks.ioというのがあって、ホンホンと読んでいたのだけど、どうも彼の言うWebプログラマというのは、はてなやDeNAやサイバーエージェントのようなASPやってる会社のインハウスプログラマのことのようだったので、ああそうか、俺はWebプログラ…