追憶の音楽
1 ほとんど暗闇のフロアに小さなスモークマシンが出した煙。そこに申し訳程度のレーザーが光る。 壁面にはVJの映像がプロジェクターで投影されているのに、WinAmpのVisualizationそのままで、僕はVJのいるブースを見上げたが、彼はリズムに乗りながらDJの名…
まだ懺悔の時間にはなっていないのだが、書こうとしていた話が思ったよりも厄介なので少し息抜きのエントリを書こうと思う。先日twitterで気まぐれに4年前に増田に書いたエントリを自分が書いた、という発言をした。 一応信用されるように、増田を編集して…
昔の恋人に名を呼ばれたような気がして、目が覚めた。彼女は時々夢の中に現れる。 そうした時はとても暖かく、いい夢だったと感じる。 おそらくは彼女は既に自分と統合されて内なる神となっていて、私はそれを「アニマ」という聞きかじった言葉で呼んでいる…
思い出の中にしかいない人、それも面識があったわけではなく、 その「作品」を通じて知っているだけという人がいて、2年ほど前、私は彼の訃報を聞いた。彼の名前は「みらゐ」。ゲームミュージックの作曲家で知られ、同人音楽やバンド活動でもその名を馳せた…
先日、「お前の曲はcoolだ、俺たちがプロモーションしてやる(から金よこせ)」的なスパムメールが来た。 ネットに自分の曲(といっても、もう15年前ぐらいに作った曲ばかりである)を残していた覚えはなかったのだが、 書いてある曲名は確かに私の作った物…
音楽が、孤独な人間の味方であり、夢であった時代があった。夕暮れの強い西日の差し込む自室に、浅く埃のかぶった黒く大きなラジカセが奏でる音が、受験勉強に勤しむ青年の心の支えであったり、本を読み空想の世界を旅する少女に寄り添えていた時代があった…