megamouthの葬列

長い旅路の終わり

喧嘩乗り場

あまり、ネット時事評論的なことをしたくはないのだが、最近見ているRSSフィードの内容がどれもつまらないので、辟易している。

そういった中で目立つのが、twitter上の議論とかそれをまとめたサイトである。

韓国のアレとか、年末の黒塗りのアレとか、安倍首相がどうとか、朝日新聞がどうとか、といったもので、読者がそれらをどのようなスタンスで見ているかは知らないが、私の政治的スタンスである「やる気のないアナーキスト」から見ると、全部どうでもいい、と言った感想になってしまうのである。
(あらかじめ断っておくがこれで気を悪くされた読者と議論する気はないし、そもそも議論にならないのでやめたほうが良い。なにしろ「やる気のないアナーキスト」という奴には何も主張はないし、あったとしても、自分が知らないうちに隕石でも落ちて、すべてが真っ平らになって、自分を含めた全員が無に帰すのが一番いいと思っているのだから)

なので、私のローカルブックマークは増えることなく、相変わらず、twitterやタイムラインの東では喧々諤々の議論が行われている。

右と左に限らず、両陣営は自身の主張と論理の体系化に忙しく、少しでもその体系にひっかかった者がいれば(わかりやすく言えば、議論で叩き潰せそうなカモを発見すれば)、何か自動的なツールでもあるのだろうか、という速度でリプライが飛んでくることになる。

彼ら自身がどう思っているかは知らないが、彼らの目的は、相手を完膚なき論理で反論できない状況に追いやり、一方的に勝利宣言を上げ、溜飲を下げることにある。
それが彼らにとっての闘争であり、正義であり、また勝利だからだ。

だが、敵もさるもの、同じような攻性の体系化は吹っかけられた側にもあり、この手の議論は終わることはない。そもそもそういったものを「議論」と呼ぶべきではないのだった。それは「闘争」という名の罵り合いであり、レッテル貼りにすぎなく、出口というものがないからだ。


かつて喫茶店では宗教と政治の話はするな、と言われた。誰が聞いているかわからないし、目の前の当人が何らかの「体系化」した論理を持っている可能性があったからだ。

たとえば、黒塗りの話をするにしても、

「なんか年末の黒塗りメイク、ごっつ問題になっているらしいですね」
「らしいね」
「ワロうてしまいましたけど」
「ワロうてしもたらアカンねんやろうけどな。今は。」
「そうなんでしょうね」
「昔はアダモちゃんとかやってたけどな」
「あれも今はアウトでしょうね」

というところで、上司はスポーツ新聞を畳んで、ようやくやってきたナポリタンにタバスコをかけていたろう。

これを日本人の均質性という言葉で片付けてもいいし、「議論」を嫌う気質であると言い換えてもいいだろう。

例を出しておいて悪いのだが、別に筆者はこのような古き良き会話が良いというつもりもない。何もしなくても自民党社会党(とアメリカ)が世の中をなんとかしてくれた時代ではないのだから、こういうのもどうか、とは思う。

だが、twitterという場所が、どうにも議論と言うには稚拙な罵り合いと、ヒステリックな集団通報でのアカウント凍結戦争の場になったのは少し残念でもある。

そこではかつて、整然と日常会話が行われ、時には穏やかな議論が行われ、きちんとケチャップ味のナポリタンが出されていたのだ。


そういった場所が完全に失われたわけではないにしろ、どうせ見せてもらえるなら、そうしたもう少し身になる「議論」を見せてもらいたいと思うのは贅沢だろうか。

別に私は地下格闘技上で行われるヒステリックで、数に頼った、審判すら不在な残虐インファイトを見たいという気持ちはないのだ。

しかしそれも望み薄というものだろう。

私はかつて、「システムはコミュニティの思想的な質に影響を与える」と言ったことがある。

2chネトウヨの巣窟になったのも、現在のtwitterが「喧嘩乗り場」になったのも、少なからず、メンションとかリプライとかそのあたりのシステムが関係している。

結局のところ「議論」というものが難しいのだ。
朝まで生でする某番組の「議論」もひどいものだが、あの程度の議論ですら、システム化することは不可能だろうし、できたとしても誰も使おうとしないだろう。ユーザーへの要求が過大すぎるからだ。

なので、こういった傾向は続く。世の中が不毛でなかった事がないように、twitterのような『喧嘩乗り場」がなくなることもないのだ。

ところで、


という重要なツイートをしたのだが地政学クラスタの反応がまるでない。
フロリダ沖のバミューダトライアングルの中心に、核配備された独立国(しかもミラージュⅢなど、欧州系の武器輸入まで行われている)が存在する、という事実は、北朝鮮問題以上に深刻だと思うのだが。

有識者の意見を求めたい。


パタリロ! 41 (白泉社文庫)

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